保育学研究
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原著<論文>
通園バスに対する保育者の認識と保育環境としての可能性
境 愛一郎
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2018 年 56 巻 3 号 p. 92-102

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抄録

本研究では,通園バスに乗務する保育者へのインタビュー調査を通して,乗務や車内での子どもの過ごし方に対する保育者の認識を明らかにするとともに,通園バスの保育環境としての特質について考察した。インタビューデータの質的な分析によって,車内での保育者の配慮事項や乗務に対して感じるやりがい,課題などが明らかとなった。また,通園バスにおいて子どもは,互いがクラスや家庭・地域で経験したことを交流させ,「バス集団」とも呼べる異年齢間の結びつきや独自の習慣を共有した関係性を構築している可能性が示唆された。他方で,保育者は,そうした通園バスについては,保育環境として特に意識しているわけではないことも明らかとなった。

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© 2018 一般社団法人 日本保育学会
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