2019 年 57 巻 1 号 p. 102-113
本研究は,地域の行政機関であるこどもの発達センターと協同して行ったペアレントトレーニングが,母親の育児困難感に与える効果について明らかにすることを目的とした。参加者は3歳から8歳の子どもの母親12名であった。全6回,フォローアップ1回を含む計7回のペアレントトレーニングを実施した結果,母親の育児に対する自信のなさやとまどいは改善し,効果は維持されたが,育児に対するネガティブや攻撃的感情に効果は示さなかった。しかし,ペアトレに対する参加者の満足度は高く,継続して行うことには意味があると考えられた。母親の負担も考慮したうえで,地域と連携した専門的な支援を行っていくことが必要であると考えられた。