抄録
本研究では,筆者が,1 年を通じた観察において年長児に関わりながら,5 歳児の友達関係(二者のあいだ)においてどのように幼児が情動を調整しているのかを“接面”に基づき,検討することを目的とした。その結果,「自分の情動調整」を試みている中で,「相手の情動」を見て(気づき)自分だけでなく「相手の情動」も同時に調整しようとする「同調的情動調整」と,一年を通じて互いの関係を続け,一緒に遊んだり,ぶつかり合ったり,意気投合したりする中で,“接面”が生じ,相手の情動を調整したり,相手のために情動を調整しようとする「関係歴史的情動調整」をしていることを明らかにした。