抄録
本研究の目的は,保育所の2~3歳児クラスに在籍するS子の保育室内での滞留行動と回遊行動に着目し,幼児の求める場の機能を考察することである。約21ケ月の観察データから,140事例をサンプリングし,各事例をエピソード法とSCAT分析により,質的に分析した。その結果,本研究では,縦断的に分析したところ,S子は場の機能を求めて滞留する場を移行させているのではなく,その場に滞留することを繰り返しながら,新たな場の機能を見出していた。また,S子は,他児と一緒に滞留・回遊行動を繰り返すことにより,回遊行動が目的化し,遊びを展開してストーリーを実現する「場」を生成していることが明らかになった。