保育学研究
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原著<論文>
保育の質向上と保育者の成長を支える往還型研修
―実践と研修の往還がもたらす新たな意味と価値の創造過程―
髙嶋 景子岩田 恵子松山 洋平三谷 大紀大豆生田 啓友
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2021 年 59 巻 3 号 p. 23-34

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抄録

本研究では,外部研修における学びと日々の保育実践との往還を通して生まれてくる保育者自身の成長や,園内の保育者間の学び合い,さらには園全体の保育実践に生まれる変容の過程に着目し,研修に参加した保育者へのインタビュー調査を行った。その分析を通して,外部研修との往還は,多様な他者の視点や保育実践に出会うことを通して,自らの実践に新たな意味や価値を見出したり,創造していく契機となり得る可能性をもつものであることが示唆された。また,そうした学びが生まれるために,当事者性をもった学びを可能とする研修のデザインや,園内の同僚や保護者との協働を深めつつ保育の質向上が生まれてくるための循環を支える媒体が不可欠であることも明らかとなった。

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© 2021 一般社団法人 日本保育学会
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