1-2歳児の社会情動的能力の発達と保育所の環境設定の質の関連を検討した。参加者は,公立保育所に通う1-2歳児とその保護者の829ペア,各クラス担当の保育者378名であった。保護者が子どもの社会情動的能力を,保育者が保育所の環境設定の質を評定した。その結果,子ども要因(月齢,性,出生順位)や家庭要因(世帯収入,保護者の被教育歴,養育態度,等)を考慮した場合でさえ,「遊びのための環境設定」の質の高さは,1-2歳児の問題行動の少なさに寄与した。特に,保護者の応答性が低い場合に,その環境設定の質は子どもの発達と関連した。本結果は,長時間の保育を経験する子どもにとっての保育所の環境設定の質の重要性を示している。