子どもと自然との関わりを育むための基礎的データを集めることを目的に,園庭に生息する15種の身近な虫に対する子どもの認識を調べた。3,4,5歳,計91名の幼稚園児にインタビュー調査を実施した。虫の写真を見せて,名前を知っているか,見たことがあるか,好きか,触れるかを尋ねた。その結果,虫の名前の認識は加齢とともに増加していた。一方で,5歳児になると特に女児は虫を嫌う子が増え,幼児期にはすでに虫への嫌悪感情に男女差が生じることが示された。ダンゴムシ,テントウムシ,チョウなどは名前もよく知られておりかつ好かれていた。クモ,カメムシ,カなどは嫌われていた。最後に虫に対する幼児の認識を5つに類型化して教育的関わりについて議論した。