本研究の目的は,積極的に生活困難家庭への支援を行う保育所等へのインタビューをもとに,家庭への介入プロセスを明らかにすることである。M-GTAによる分析の結果,園全体での関係構築を土台に,状況に合わせて支援の主体を担任から管理職に移行させつつ介入を行うプロセスが示された。介入の基盤には,〈園全体で関係構築しながらの家庭支援〉,〈異変の感知と情報収集〉,〈園内での情報共有〉があった。異変があるたびに子どもと保護者の状況をふまえて〈管理職を中心とした随時判断〉が行われ,〈管理職による家庭への介入〉や〈外部機関と協働した介入〉が実施されていた。これら全体に『介入の必要性に対する管理職の考え』が影響していた。