抄録
本稿の目的は,勝田守一における幼児教育論の基本的視座および構造を解明することである。そのために,勝田の幼児教育論の史的展開を検討した。勝田は身体的成熟に着目し,それによって早期教育に抗おうとしていた。すなわち,勝田の幼児教育論は,身体的成熟を目的としていた。この目的を達成するために,幼児期の発達上の特徴である感情を重視し,その感情を豊かにする集団活動を求める。これは遊びであり,組織された学習ではない。つまり,勝田は幼児教育と学校教育とを連続的に捉えつつも,認識の育成を企図する学校教育と,身体的成熟を企図する幼児教育として,その差異を明確にしていた。