運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
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総説
若年者において座業時間を減らすのか,あるいは中高強度身体活動を増やすのか? 健康アウトカムとの関連
Ulf Ekelund
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2013 年 15 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

5~18歳の者において毎日60分以上の中高強度身体活動を蓄積することが推奨されている。最新のエビデンスでは大多数の若年者はこの基準を満たしておらず,このことが健康に影響しているかもしれない。エネルギー消費スペクトラムのもう一方に位置づけられる座業時間は,成人において慢性疾患の潜在的なリスク要因であると認識されている。 最近のシステマティック・レビューによれば,この年齢層では座業時間と健康アウトカムの関連を縦断的に検討したエビデンスはほとんどないことが示唆されている。客観的に測定された身体活動(訳者注:加速度計などによる測定のこと)と健康アウトカムの関連を縦断的に検討したデータも不足している。しかし,中高強度身体活動と心・代謝健康アウトカムとの関連を示す横断研究のエビデンスによれば,より強い強度の身体活動においてより強い関連が示されている。更にいうと,座業時間と健康アウトカムとの関連は,中高強度身体活動で調整して検討すると,認められていない。心血管疾患を予防するためには,中高強度身体活動の適量を明らかにする必要がある。また,より高強度な身体活動の効果を明らかにする必要がある。大規模な縦断研究,あるいはランダム化比較試験が求められる。


(この日本語訳は,読者の利便性を考慮して著者の許可のもとに編集委員会が作成したもので,論文の一部ではありません。日本語訳が著者の意図にあっていない可能性がありますので,正確な意味を確認するためには原文をご確認ください)

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