2015 年 17 巻 1 号 p. 37-42
子どもの身体活動を促進するうえで,現存するエビデンスをまとめ,国際比較を実施し,エビデンスに基づいた身体活動や健康面の施策を促すための情報を研究者だけでなく教員,指導者,政策立案者および一般大衆が共有することは,極めて重要なことと考えられる。“Active Healthy Kids Report Card”は,各国の子どもの身体活動の現状および,身体活動に影響する要因を示すものとして,主に9つの指標によって構造化されている。2005年に,初版の “Active Healthy Kids Canada Report Card”が発表されて以来,Active Healthy Kids Global Alliance(www.activehealthykids.org)を形成するさまざまな国民所得水準の15か国において,“Active Healthy Kids Report Card”が報告されている。きたる2016年の第6回The International Congress on Physical Activity and Public Healthバンコク大会に向け,更に地理的および経済的に異なる国を加えた40か国を超える国が参加する予定である。“Active Healthy Kids JAPAN Report Card”についても,現在ワーキンググループで検討中である。本稿はこれまで報告されている15か国の“Active Healthy Kids Report Card”および国際比較の結果について概説した。