運動疫学研究
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介入研究によるエビデンスの「つくる・伝える・使う」の促進に向けた基盤整備への呼びかけ~日本運動疫学会プロジェクト研究~
中田 由夫 笹井 浩行北畠 義典種田 行男
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2015 年 17 巻 2 号 p. 113-117

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抄録

現在,身体活動が健康増進や疾病予防に有用であることのエビデンスは数多くある。しかしながら,多くのエビデンスは観察研究によるものであり,特に我が国における介入研究によるエビデンスの蓄積は十分ではない。そこで,著者らは日本運動疫学会プロジェクト研究として,「介入研究によるエビデンスの『つくる・伝える・使う』の促進に向けた基盤整備」を立ち上げた。本プロジェクト研究の目的は,我が国における介入研究によるエビデンスを整理し,健康支援現場で実践するための,より具体的な情報を提供することによって,運動疫学分野におけるエビデンスの「つくる・伝える・使う」を促進することである。本稿では,本プロジェクト研究の遂行に向けて,情報提供を呼びかけることを目的とする。本プロジェクト研究の対象は,我が国における身体活動・運動(栄養を含む)を用いた研究とする。アウトカムとしては,生活習慣病(肥満,高血圧,脂質異常,糖尿病),関節疾患(腰痛・膝痛),認知症,要介護,睡眠(不眠,睡眠時無呼吸症候群),メンタルヘルス,体力,身体活動量などが挙げられる。エビデンスが発表されていなければ,エビデンスづくりに取り組んでいただきたい(つくる)。エビデンスとして発表されている介入方法については,その詳細を資料論文として投稿していただきたい(伝える)。一連の情報を日本運動疫学会のウェブサイトに掲載することで,健康支援現場でのエビデンス利用(使う)が促進されることを期待している。

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© 2015 日本運動疫学会
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