運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
資料
軽度認知機能障害を有する高齢者の認知機能向上のための複合的運動プログラム:日本運動疫学会プロジェクト研究 “介入研究によるエビデンス提供”
土井 剛彦 島田 裕之牧迫 飛雄馬鈴木 隆雄
著者情報
キーワード: 身体活動, 記憶, 認知症
ジャーナル フリー

2017 年 19 巻 2 号 p. 102-109

詳細
抄録

我々の研究グループは,軽度認知障害を有する地域在住高齢者を対象に,複合的運動プログラムが認知機能に及ぼす効果をランダム化比較試験によって検証し,その有効性を明らかにした。プログラムの有効性については,全般的認知機能や記憶に加え,脳萎縮の状態に有効性が認められた。本資料論文では,介入内容の紹介ならびに一般化可能性について着目し検討を行った。検証された複合的運動プログラムは,長期間の継続性も確認されており高齢者が実施しやすいものであったと考えられる。主に介護予防プログラムの1つとして実施されていることが多く,国内において広く用いられている。更に,運動の実施については特別な環境を必要としないため,新たに取り入れやすいプログラムであると考えられる。今後も,さまざまな場面において継続して取り組めるプログラムを目指し,継続した検討が必要である。

著者関連情報
© 2017 日本運動疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top