運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
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子ども・青少年における質問紙を用いた身体活動評価法に関する世界的な動向
城所 哲宏田中 千晶田中 茂穂宮地 元彦井上 茂安部 孝文鈴木 宏哉
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2018 年 20 巻 1 号 p. 26-36

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抄録

目的:子どもにおける身体活動の評価法に関して,どのような質問紙が国際的に多く用いられているかを把握することは,今後,当該研究分野における国際比較研究を行っていくうえで極めて有益な情報となり得る。本研究は,子ども・青少年における質問紙を用いた身体活動の評価法に関する世界的な動向を整理することを目的とした。

方法:子ども・青少年の身体活動に関する国際比較を行った“The Report Card on Physical Activity for Children and Youth (Report Card)”に参加した38か国を対象とした。各国のReport Cardにおいて,日常生活全般の身体活動量の等級付けの根拠となっている文献を収集することにより,各国における身体活動の評価法を整理した。

結果:世界38か国において,Health Behaviour in School-aged Children(HBSC)の質問紙が最も多く用いられていた(12か国:31.6%)。次に多く用いられていた質問紙は,Global School-based Student Health Survey(GSHS)であった(6か国:15.8%)。HBSCおよびGSHSの質問紙においては,「1日60分以上の中高強度身体活動を達成した頻度」を尋ね,日常生活全般の身体活動量を評価していた。一方,身体活動の「頻度」および「1日当たりの時間」を把握することで,中高強度身体活動量を算出する質問紙も確認されたが(IPAQ,GPAQ,PAQ-C/A,SHAPES,CLASS,AQuAA),これらの質問紙を用いた国は少数であった。

結論:子ども・青少年における身体活動評価法の国際的な動向として、「1日60分以上の中高強度身体活動を達成した頻度」を尋ねる質問紙(例:HBSC,GSHS)が多く用いられていた。

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