運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
実践報告
ソーシャル・ネットワーキング・サービスアプリを用いた歩数の報告と評価が歩数に及ぼす影響
杉田 勇人山北 満哉土橋 祥平安藤 大輔
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キーワード: 歩数, 記録, LINE, 活動量計
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2018 年 20 巻 2 号 p. 99-104

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抄録

目的:LINEと活動量計を用いた生活介入が,日常の歩数に及ぼす影響を検討することを目的とした。

方法:対象者は健康な大学4年生の男女14名(男性6名,女性8名:22.0±0.1歳)とした。介入に先駆け,対象者の日常における歩数を把握するため,測定値を伏せた活動量計を用いて,歩数の事前測定を1週間実施した。事前測定時の平均歩数,および男女比を考慮し,記録用紙記入群(R群)とLINE報告群(L群)にランダムに割り付けた後,2週間の生活介入を行った。介入期間中は両群ともに毎日定時(AM 10:30)までに前日の歩数と当日の目標を記録させたが,R群は配布された記録用紙に記入し,L群はLINEを用いて報告する形式を用いた。加えてL群の対象者には報告された歩数に対するコメントや結果の開示(L群全体の歩数の推移を表すグラフ,名前を伏せたランキング)などのフィードバックを毎日行った。介入終了後には,両群ともに質問紙を用いて介入内容を評価させた。

結果:介入期間中の歩数の推移について有意な交互作用は観察されなかったが(群×期間経過,p=0.642),事前測定時から介入2週目にかけて有意に増大することが明らかになった(歩数の変化量,R群:2,900±868歩,L群:1,129±650歩,p=0.036)。

結論:LINEを用いた歩数の報告は,記録用紙を用いた歩数の記録と同様に歩数を増大させる戦略として有効である可能性が示唆された。

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© 2018 日本運動疫学会
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