目的:履き物に着目した女子大学生の活動的なライフスタイル構築に向けた取り組みを行ううえでの基礎資料を得るために,履き物の違いによる歩行意識(抵抗なく歩ける時間)および身体活動量の関連を明らかにする。
方法:以下の2つの調査を実施した。調査1では,履き物の違いと歩行意識の関連性について質問紙による調査を行った。対象は女子大学生471名(有効回答率73.1%)であった。調査2では,定期的な運動習慣をもたない健康な女子大学生9名(20.8±0.4歳)を対象とした。活動量計を用いて測定した平日の連続した4日間の歩行数および活動強度について,スニーカー条件(Sn条件)とスニーカー以外条件(NSn条件)間で比較した。
結果:(調査1)歩行意識は,中央値でスニーカー90分,サンダル60分,ヒール30分と有意にスニーカーで長かった。この結果は過去の運動歴や現在の運動習慣などにかかわらず同じであった。(調査2)平均歩行数はSn条件10,969±3,277歩,N-Sn条件9,591±2,212歩であり,両条件間に有意差は認められなかった。活動強度についても3~6メッツ,6メッツ以上,MVPA(moderate to vigorous intensity physical activity)のいずれにおいても有意差は認められなかった。
結論:女子大学生では,履き物の違いによって歩行意識は有意に異なった。しかし,履き物を変えるだけでは,日常の歩行数や活動強度は変わらないことが示唆された。
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