運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

中学校保健体育教材が生徒の座りすぎ改善への気づき・意図・行動へ与える影響:自然実験
石井 香織宮脇 梨奈柴田 愛岡 浩一朗
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 2405

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

目的:自然実験アプローチを用い,学校教育場面の中で座位行動についての情報が含まれた教科書を使用している生徒と使用していない生徒での,気づき,意図およびスクリーンタイム(ST)が1年後のそれらに与える影響を検討することを目的とした。
方法:2021年(T1; 2,219名)および2022年(T2; 778名)3月の2回のウェブ調査を,T1時に小学6年生の子どものいる保護者に実施した。 ST,座位行動に関する気づき,意図,属性(T1の子どもの性およびbody mass index,世帯収入),保健体育の教科書の出版社を尋ねた。座位行動に関する内容が含まれている教科書を使用している生徒と含まれていない教科書を使用している生徒における,T1の気づき,意図およびSTがT2の気づき,意図,STそれぞれに与える影響について,属性を調整した多母集団同時分析によるパス解析を実施した。
結果:分析対象者624名のうち,座位行動に関する内容が含まれている教科書を使用している生徒の割合は25.2%であった。パス解析を行った結果,座位行動についての記載された教科書を使用している群と記載されていない教科書を使用している群ともに,T1およびT2それぞれ気づきが有意に意図に影響を与えていた(AGFI=0.954, HOELTER0.05=575, AIC=133.788, RMSEA=0.005)。しかしながら,これらの両群の値の差に対する検定を行った結果,差は認められなかった。
結論:気づきは意図に影響を与えていたが,STへの影響は確認できなかった。この影響は,座位行動に関する情報が含まれた教科書の使用の有無によって差はなかった。
著者関連情報
feedback
Top