2020 年 13 巻 2 号 p. 44-56
企業の持続的な成長には,財務パフォーマンスだけではなく,ESGを考慮した経営が必要という考えが浸透している.ESG経営や非財務情報の金額換算評価の取り組みは始まったばかりであり,研究機関や企業が試行錯誤しながら指標や計測・定量化方法の開発・改善を図っている状況である.本稿では,ESG経営に関する最新の調査・研究事例について紹介した上で,今後の研究展望について述べるとともに,研究を発展させる上での課題について紹介する.特に,持続可能な開発目標とESG経営の関連性は,企業活動が社会に与える影響評価を行う上で注目される点であり,いかにステークホルダーに対して両者の関係性を分かりやすく説明できるかが重要となる.