森林環境税の必要性判断に係る意思決定プロセスを,住民へのアンケート結果に基づき,共分散構造分析により明らかにするとともに,地域の森林への関心や地域への愛着の水準等の高低が,意思決定プロセスに与える影響の違いを,多母集団同時分析により検証した.結果,①森林環境税制度のしくみ評価,②身近な人の評価,③森林行政への信頼の3つが判断要因になること,②および③よりも①のほうが影響力は大きいことを示した.加えて,高関心群は低関心群に比べて①の影響が相対的に大きくなること,高愛着群は低愛着群に比べて②の影響が相対的に大きく,低愛着群は高愛着群に比べて①の影響が相対的に大きくなることなどを定量的に示した.