抄録
太陽光発電(PV)システム導入後10~20年以上の運用期間において十分な発電量を得る上で,適切な維持管理の選択実施が不可欠である.本稿では,住宅PVシステムを設置予定の消費者が維持管理策を検討する上で有益と思われる不具合リスク情報に着目し,情報の有無による選好変容の様子を,ランダム化実験に基づくコンジョイント型調査により実証的に検証した.その結果,不具合リスク情報の普及により点検サービスを重視するが機器保証は最低限のもので良しとする消費者が増加する一方で,有償の機器保証や点検サービスを決して選択しようとしない消費者が減少する等,同システムの社会定着に有益な効果があることが確認された.