環境経済・政策研究
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研究報告論文
ドイツの再生可能エネルギー制度改革
吉田 文和
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2014 年 8 巻 1 号 p. 37-49

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抄録

再生可能エネルギーの拡大をめざすドイツの再生可能エネルギー制度改革をめぐる問題は,買取価格の適時的確な調整の必要性,負担の公平性確保の重要性,送電線などのインフラ整備の計画性と住民の受容性確保,産業の国際競争力と市民の負担の調整問題,調整電源の確保と費用負担問題,などを示しており,今後再生可能エネルギーを拡大していくうえで,避けて通れない問題群であり,日本などは後発者の立場から注意深く学ぶ必要がある.今後の見通しについては,種類ごとに買取価格を決める固定価格買取制度の枠組みそのものは変わらないが,量的コントロールが強められ,固定価格買取価格が平均で17セント/kWhから12セント/kWhに引き下げられ,直接取引,市場プレミアムの拡大と入札制の導入が進められる.

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© 2015 環境経済・政策学会
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