子音文字の視覚情報処理に関する基礎実験として、4 名のヘブライ語母語話者に表2 の視覚刺激を呈示し、それらを黙読する指示を与えて事象関連電位を測定した。N170 に着目した予備実験(池田ほか2014)の結果は部分的にしか再現しなかったが、N170 とP250 の電位差に着目したところ、母音記号を付した刺激の方が付さないものよりも一貫して電位差が大きく、1 ユニットからなる刺激の方が2 ユニットのものより一貫して電位差が大きいという興味深い特徴が確認された。今回の実験結果から、ヘブライ文字の場合、N170 とP250 の電位差が母音記号の有無という物理量、およびユニット数という認知量を反映している可能性が示唆される。