実験音声学・言語学研究
Online ISSN : 1883-6763
講演論文
上方落語『刻うどん』における都都逸
歌わない都都逸の韻律節
福盛 貴弘
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2017 年 9 巻 p. 139-154

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抄録

本稿は、2016 年9 月2 日に室蘭工業大学で行われた日本実験言語学会第 9 回大会での公開講演「上方落語と都都逸と音声学」をもとにして執筆したものである。当日は、『刻うどん』に出てくる都都逸を紹介しながら、その役割と音声特徴について講じている。

『刻うどん』では、作中に出てくる「歌わない都都逸」が、登場人物であるかしこの清八とすかたんの喜六の性格を紹介する構成になっている。また、歌わない都都逸は前半の七七と後半の七五をそれぞれ中韻律節として一まとまりにし、中韻律節を繰り返すように発していることが明らかになった。

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