2012 年 11 巻 1 号 p. 42-43
住環境への愛着については、日常よりもイベント性の高いもの、個々人の考えよりも人々に共有された価値を持つ場所が愛着を自覚されやすいという意見や、居住年数の長さと関連付けるものがある。しかし、一方では居住年数が長くなるほど地域の心理的つながりは強くなるかもしれないが「住みやすさ」につながるのか、居住年数の長短だけではなく、その地域を背景にしていかなる社会関係や空間構造を持ちえたのかという点の検証が必要という、居住年数の長さだけでは愛着を図れないとする意見もある。そこで本稿では伊丹市の商店街店主に対して実施した調査の結果をもとに、地域への愛着と居住年数の関連について考察する。