2012 年 11 巻 1 号 p. 5-8
我が国には大正から昭和初期にかけて建築された歴史的公共建築物が少なからず存在するが、これらの適正な評価なくしては、こうした建築物の保全を図ることは難しい。歴史的公共建築物の評価に関しては、既往研究でCVM+AHP手法を用いて評価した研究があり、同研究ではCVMを推奨しているが、今後、同じ表明選好法であるコンジョイント分析手法を用いて評価することも想定される。よって、横浜気象台庁舎をケーススタディとして、CVM+AHP手法とコンジョイント分析手法を用いた評価を行い、両手法の適格性について検証したものである。調査の結果、どちらの手法も歴史的建築物の評価手法として妥当な結果が得られた。