2013 年 12 巻 1 号 p. 7-12
韓国・釜山市の南西に位置する巨済島は、韓国内では済州島に次ぐ2番目に大きな島である。この巨済島と付属島嶼から成る巨済市は、人口が約23万人で、造船業を主な産業として経済的にも豊かな市である。従来、巨済島から釜山市への道路アクセスは、島の西側の統営市から入るルートしかなく、約3時間を要していたが、2010年12月に巨加大橋が開通し、釜山~巨済間は50分程度に縮まった。本稿では、韓国の長大橋事業の事例として、著者らの現地調査を踏まえ、巨加大橋建設に至る経緯や開発計画、また巨加大橋開通が交通や産業等に及ぼした影響、そして、今後の開発プロジェクトの動向や方針について報告するものである。