ネパールは、今後大地震が起こる可能性が高い地域に位置しているが、建物の多くは無補強の煉瓦造であることから、建物の倒壊によって甚大な被害が起こることが危惧されている。本研究では、カトマンズ盆地のパタン市において、現代的住居の住まい方と生活パターン、居住者の地震発生時の行動予測、住民の防災意識や対策について調査を行った。その結果、新市街地の住居では、断面構成の特徴や行動パターンが変化してきていること、また伝統的な方法で住宅改修は相続によって大きく影響され、構造上の配慮がほぼ行われていないことが明らかとなった。災害時対応はh、コミュニティの信頼が強く共助が期待できるが、地震への具体的な対策は講じておらず、今後の課題が明らかとなった。