2014 年 13 巻 3 号 p. 108-112
本稿では,伝建地区を有する八女福島で,歴史的町並みの魅力とともに,その内部で営まれる仕事や暮らしの魅力(仕事や暮らしにまつわるモノ,コト,人の魅力)を表現すべく実施されている地域主体型観光イベントの取り組みについてまとめた。本事例は,発案者・主催者でもある,小規模な市民有志グループが,地域に対する参加依頼も含め,企画運営のすべてを担う形で始められたイベントである。しかし,ここでは,その後,同グループを中心としながらも,参加者有志で企画運営を支える体制が築かれていく。参加する店舗も当初は老舗が大半を占めていたものが,老舗と新規参入店舗が参加するイベントへと移り変わる。本稿では,これらの変化の過程に注目して事例報告を行った。