本研究では、再開発事業によって新たに形成された商業集積地と既存の商業集積地がどのような棲み分けを行い、年月を経てどういった融合分離を繰り返しながら1つの商業集積として馴染み、広がり浸透していくのかを視覚的に示し分析することを目的とする。このため、本研究は、再開発の中でも近年増加をみせている複合商業施設に着目し、オリナス錦糸町及びその周辺の商業集積を分析した。その結果から、再開発は周辺地域に馴化することはできるが、特定の施設種別に偏った集積を生む傾向があり、結果的には再開発と周辺地域また施設種別ごとにおいても異なった展開をするため、相互の浸透という点では困難が残ることが示唆された。