2015 年 14 巻 1 号 p. 7-12
本研究は、エコツーリズムガイドの問題点とその対策に関する基礎的な知見を得ることを目的とするものである。「裏磐梯エコガイドの会」の会員を対象とするアンケート調査から、十分な収入を得ることができず、高齢のガイドが兼業でまたは退職してから、ガイド活動を行っているということが明らかになった。また、全国のエコツーリズム地域推進団体に対するアンケート調査から、大半の地域では「ガイドの高齢化・後継者不足」に関する対策は行われていない一方、多くの地域では「ガイドの質の維持・向上」に関する対策が行われているということが明らかになった。今後、エコツーリズムを発展させるためには、それぞれの地域において、住民や行政などがエコツーリズムを推進する意義や目標を再確認し、今後のガイドのあり方を検討することが必要である。