2016 年 15 巻 1 号 p. 33-34
コロンビア共和国メデジン市では、統合的都市政策(PUI)という事業が、貧困地域での生活環境の改善に貢献したとされる。このPUIで重要なのは、社会的都市計画という概念が実践されたことである。すなわち、ハード対策とソフト対策を同時に行うことで、貧困地域の改善を目指したのである。本研究では、中でもPUIの代表的な4事業に焦点を当て、市長、公共企業、そして住民ら各主体が、PUIの事業の実施段階においてどのように役割を果たしたかを整理し、考察することを目的としている。事業実現の背景には各々の意図がみえ、それぞれに主体的に事業に参加していた一方で、PUIチームという組織や市民協定といったものが調整ツールとなり、各主体の連携が構築されていたということが明らかになった。