抄録
要旨:Buerger 病の潰瘍に対しては腰部交感神経切除術(lumbar sympathectomy; LS)が施行されるが,今回われわれは新しい診断法であるインドシアニングリーン蛍光造影法(indocyanine green fluorescence imaging; ICG-FI)を用いてLS の治療効果判定に有用であった症例を経験した.症例は39 歳,男性.Buerger 病による右第5 趾潰瘍が保存的治療に抵抗性であったことからLS を施行した.ICG-FI では最大輝度および最大輝度到達までの時間を計測項目とし,足背部および足趾基部で測定したところ,治療前:足背部(59.7,44 秒),足趾基部(22.3,46 秒),治療後:足背部(63.9,25 秒),足趾基部(21.2,35 秒)と,いずれも治療後に改善を認めた.ICG-FI は潰瘍部の局所血流評価も可能であり,新たな検査として期待できる.