都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
都市郊外部における制度に基づく空閑地の暫定利用の成立プロセス
千葉県柏市カシニワ制度を対象として
遠藤 茉弥雨宮 護
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2016 年 15 巻 2 号 p. 114-121

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抄録

本研究では,都市郊外部の空閑地問題の解消に有効的とされる,空閑地の暫定利用を実現する制度として,千葉県柏市「カシニワ制度」に着目し,制度の想定と適用事例との間の乖離状況とその背景を明らかにした.カシニワ制度では事例の創出までに,1)登録,2)仲介,3)協定,4)運営の4段階が想定され,そのうち,登録,仲介,運営の各段階で,制度と実態との間に乖離が存在することが明らかとなった.乖離の背景には,1)団体への制度内容の周知不足,2)団体が求める距離や地目の条件と土地情報との間の不一致,3)周辺住民の広場運営への関与を可能とするような利用ルールの改変がされていないこと,の3点が示唆された.

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© (c) 日本都市計画学会
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