都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
都市退化性能を巡る試論
アポトーシス(細胞自死)からネオトニー(幼形成熟)まで
谷口 守森 英高
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2016 年 15 巻 2 号 p. 75-80

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抄録

都市の成長・拡大と生物学的な進化のアナロジーはおよそ100年の長い歴史を持つ。その一方で、現在は人口減少時代において持続可能な都市の有り方を指し示す新たな退化論の登場が待たれている。本論説では退化は進化の一形態であるというもとで、その性能を検討する上での8つの視点を提示した。具体的には、1)細胞自死、2)減量化、3)低機能化、4)先祖返り、5)擬態、6)半透膜化、7)自切、8)幼形成熟である。このうちアポトーシスはあらかじめプログラムされた細胞の自死を指す。また、ネオテニーは進化のコマを進める場合の幼形成熟を意味する。さらにこれらの概念の理解に加え、進化的に安定な地域システムの構築が必要となっていることを論じた。

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© (c) 日本都市計画学会
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