都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
歴史的用水路沿いの景観の構造
高知県四万十市の四ヶ村溝を事例として
村上 修一
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2016 年 15 巻 2 号 p. 70-74

詳細
抄録

四ヶ村溝(しかむらみぞ)は,伝統的な形態の堰によって川から取水された水を導水する農業用水路である。本報の目的は,この水路沿いの景観構造を起点から終点に至るまで網羅的に把握し,地形に応じた灌漑景観の有様に関する知見を得ることである。調査分析の結果,区間によって地形における水路の位置づけが違うことがわかった。さらに,水路と地形との間に同じ関係が継続する区間の中でも,林地や建物群の有無や水路との位置関係の違いが認められた。このような違いは,水路と地形との関係が一様な事例を対象とした前報では認められなかったことであり,地形に即した灌漑の景観に関して,新たな知見が得られたと考えられる。

著者関連情報
© (c) 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top