2018 年 16 巻 4 号 p. 375-377
少子高齢化と人口減少を背景に,暫定的な緑地土地利用としての緑地が注目されているが,占有性の課題が指摘されている.本稿では,ドイツ・ベルリン市のコミュニティガーデンの2事例を対象に,設立経緯や活動内容,土地の契約状況などについて調査を行った結果を報告する.多文化共生ガーデンのInterkultureller Garten Lichtenbergは人口増減に伴う幼稚園需要から土地の返還を求められたが,一部を幼稚園用地に拠出することで当面20年の継続を見込んでいる.モバイルガーデンのPrinzessinnengaertenは契約終了後に学校建設のため土地の返還を求められており,実際に移動すると開発圧力下にある他のガーデンも移動できると認識させてしまうため,移動すべきか否かを利用者間で議論中である.