都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
日本庭園の石組意匠に通じる工場景観の審美性
四日市コンビナートと庭造図絵秘伝の比較
西川 夏生村上 修一
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2018 年 17 巻 1 号 p. 26-29

詳細
抄録

横長の要素と縦長の要素が混ざり合う工場景観には,日本庭園の石組意匠に通じる審美性があるのではないか。四日市コンビナート工場景観と,庭造図絵秘伝に描かれた石組の絵図の比較を通して,この仮説を実証することが,本研究の目的である。構成要素の縦横の寸法の割合を見ると,横長や縦長の形態的特徴を有する要素が,双方で優勢であることから,庭造図絵秘伝の石組に通じる,水平性と垂直性の対比という構図が,四日市コンビナートの工場景観にも認められる。さらに,縦長の要素の足元に横長の要素がある,という構図も共通している。

著者関連情報
© (c) 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top