2018 年 17 巻 1 号 p. 49-57
近年,集中豪雨による水害が頻発しており甚大な被害となっている.被害を軽減させる対策を講じるには,まず被害の状況を把握する必要がある.特に,水害が起きた時には被害による損失額と共に,発生する廃棄物をいかに少なくするかによって迅速な復旧・復興が見込める.本研究では,富士川流域を対象として,3次メッシュごとに2010年から2050年までの人口,世帯数,及び住宅のライフサイクルを推計し,洪水氾濫が起きた際の浸想定区域内に存在する住宅の被害額及び水害廃棄物量を示す.この結果,2050年に浸水が発生した場合の被害額は浸水域内一人あたり約407万円であり2010年の377万円から約8.0%の増加,同様に2050年の浸水域内一人あたり水害廃棄物量は約36トンであり2010年の約33トンから9.0%の増加となった.