本研究は、福島原発事故の発生に伴う避難指示等の解除後における原子力被災12市町村の学校における現状と課題を明らかにするものである。本研究を通じて、①避難指示等が解除された市町村では、小・中学校が自市町村内で再開・新設されていること、②生徒数が激減していること、③区域外就学者数が自市町村内の学校の通学者数を上回っていること、④多くの市町村で生徒や教職員、施設・設備、授業、学校行事等に関する問題を抱えていることなどが明らかになった。以上を踏まえ、こうした学校が抱える問題を解決するための制度的・財政的条件を整備することが重要であることを指摘している。