2019 年 18 巻 1 号 p. 83-86
古くなった建物を新しくする多くの再開発は機能性や安全性を向上させる一方で、街が画一的になり魅力が減っているように感じます。さらに近年では古くなった建物を新しくする時代から建物を保っていく時代へと変化しています。今後は多様な都市空間が重要となり、さらに既存建築を継承していくことで、都市の活力になると考えられます。そこで本研究では、1959年の竣工から60年経つ再開発ビル及び防火建築帯である横須賀市三笠ビルを対象にします。その造成過程と建築形態について整理し、当時の再開発の歴史性と独自性について考察します。さらに、再開発のあり方について示唆することを目的とします。