近年、従来の「静かな空間で読書をする」という概念を破る空間を提供する図書館が増えている。そこで本研究では、利用者が「心豊かに寛ぎ多様な活動を自主的、積極的に行える空間」 (以下、フリースペースと呼び、FSと略す)を備えた図書館に注目し、立地等の施設特性と館内のFSの有無や内容の関連性を明らかにすることを目的とする。各図書館の施設特性において適合度検定を行うと、図書館の立地と館内のFSの有無や内容には関連性が見られなかったが、図書館の規模、年度とFSの有無は関連性があることが示唆された。また、各市区の中央図書館にはFSがある傾向があったが、中央図書館にFSが多いことと図書館の規模が大きいことには関連がないことが分かった。