2019 年 18 巻 2 号 p. 172-177
本論文では,GISデータの集計空間単位として沿道領域に着目し,既存のフリーGISデータを活用して,沿道領域の世帯数を推定する方法を提案する。沿道領域は道路中心線を生成元とするボロノイ領域で定める。推定にあたっては,面積按分のいくつかの方法を比較検討する。事例として,岡崎市の2つの住宅地をとりあげ,推定された結果が実際とどれほど合致するのかが検討される。その結果,とくに竜美東2丁目では,よく推定できていることが示された。さらに,建物延床面積按分による推定方法についても検討され,通常の面積按分による推定よりも有用であることがわかった。