2020 年 19 巻 1 号 p. 55-62
都市計画行政を進めていく上では研究成果を実務に生かすことが重要であるが,実務と研究の乖離が指摘されて久しく,いまだに両者の連携が十分であるとは言いがたい.このため,研究交流分科会「実務と研究の連携のための研究会」では,官の実務者と学の若手研究者が連携して,2017~2019年度の3か年にわたり検討を行ってきた.本稿は,その成果を踏まえて,実務と研究の連携のニーズが高い分野の論点整理を行うとともに,連携の効果的な取り組み内容として,これまでの研究成果の活用,これからの研究活動の連携という2つの視点から考察を行った.さらに連携した取り組みを行う主体として,行政と学だけでなく,コンサルタントのような民間も重要な役割を有しており,各主体の取り組みと連携強化が重要であることを整理した.