都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
寒冷地都市における河川空間利用に関する研究
新潟市における取り組みの沿革・実態の把握を通じて
溝口 哲平藤井 さやか
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2020 年 19 巻 1 号 p. 78-85

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抄録

近年,営利事業を含めた河川空間利用が各地で進んでいる。この河川空間利用は寒冷地では盛んではない一方,新潟市では例外的に活発な取り組みが行われており,本研究では,そんな新潟市における河川空間利用の沿革および実態を明らかにすることを目的とする。文献調査と関係者へのヒヤリングを通じて,主に次の二点が明らかになった。1)新潟市の河川空間利用は「黎明期」と「発展期」に大別される。前者は,数日間のイベントが中心だったが,先駆的なオープンカフェの取り組みとして「萬代橋サンセットカフェ」が非営利で実施された。後者になると,制度の充実や民間事業者の参画によってより高度な利活用が行われるようになった。2)新潟市では利活用が活発であるとはいえ,夏季に限られているという実態がある。冬季の利活用に向けた試みも存在するものの,現状では大きな流れには至っていない。

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