本稿では,2020年2月末のトイレットペーパーの買い求め行動を事例として,非日常時における人々の日用品の購買意識・行動調査結果を報告する.複数の特性の異なる地域を対象として,地域特に平常時の購買行動との比較,特性の異なる複数地域の比較を行い,人々の購買意識・行動に見られた共通点や違いについて分析を行う.そして,今後の類似事例の発生防止,またそのための対策立案に資する知見を得る事を目的とする.結果から,多くの人々がごく短期間に時間的・空間的に集中をして買い物を行った事が明らかになった.一方で,非日常時の購買行動であっても,平常時の購買行動実態との共通点やその延長上にあると考えられる点も多く見られた.