都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
ダマスカスにおける地域特性を踏まえた交通行動の実態分析
JICAパーソントリップデータを用いて
岡野 圭吾松原 康介谷口 守
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2020 年 19 巻 2 号 p. 125-130

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抄録

ダマスカスは,数千年に及ぶ歴史の中でギリシア,ローマ,イスラムなど様々な文化が重なり,狭い街路が入り組む市街地(城壁に囲まれたオールドダマスカス)が形成されてきた.近年ダマスカスでは,日本の技術協力のもと,歴史の保全と近代化という狭間で都市計画が行われてきた.JICAにより実施されたパーソントリップ調査の結果を用い,ダマスカスの交通行動(トリップ目的と交通手段)について分析し,東京都市圏PTと比較しながら考察した.その結果以下のようなことが明らかとなった.(1) トリップ目的は,郊外から都心へ通勤するトリップや郊外での通学トリップが多いなど,東京都市圏と似た傾向がみられた.(2) 交通手段は,セルビス(マイクロバス)の分担率が高いが,オールドダマスカスと郊外では徒歩の分担率が高いなどの傾向がみられた.

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© (c) 日本都市計画学会
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