2003 年 2 巻 1 号 p. 35-39
東京都の公共空地や公園は、諸外国と比較して狭いことが以前から指摘されてきた。こうした中で総合設計制度を活用することによる公開空地の供給が、特に大規模開発の際に多く行われてきた。しかし、公開空地は容積のボーナスをもらうための手段として設置され、目的や意図が不明瞭となり、周辺地域との整合性がとれていないところも多い。本研究では、東京都において総合設計制度により創出されてきた公開空地に着目し、まず年代、地域、手法別に現状を整理した。さらに、特徴的な地域を複数選定した上で現地調査を実施し、整備状況や利用実態を把握し、地域の現状にあった公開空地を創出するための問題点や改善点を明らかにした。