2021 年 20 巻 2 号 p. 157-161
京都の庭のモミジは,その審美的価値観が人々の間に定着していると考えられる。そこで,戸建住宅の小規模な庭にモミジを植栽する際の援用ツールとして,モミジを中心とする平面構成を京都の寺院等の実例より抽出してカードを作成した。文献に掲載された52庭園の実測図から,モミジの樹幹を中心とする2m四方の平面構成が1353サンプル得られた。平面構成の中には,モミジ以外の要素として,高木,低木,建物,灯篭,景石,飛石,橋,白砂,苔,芝,水,園路の12種のいずれかが含まれていた。要素の種類,数,配置の違いによって分類された平面構成490パターンのカードが生成された。カードを用いた設計シミュレーションが行われ,有効性と課題が確認された。