都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
新潟県内における戦後興隆期の花街の実態
昭和中期の料理屋の組織及び分布に着目して
久保 有朋
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2021 年 20 巻 3 号 p. 334-340

詳細
抄録

花街は、日本の伝統文化を包括的に継承する希有な空間である。花街は大正から昭和初期、昭和中期に興隆期を迎えた。本研究では、当時全国屈指の花街地区数であった新潟県を対象として、資料の乏しさからこれまで明らかにされていなかった戦後興隆期における料理屋の組織及び分布の実態を明らかにする。主な調査結果は以下の通りである。(1)昭和38年時点で、新潟県内には料理業組合が少なくとも19地区の花街に存在していた。(2)料理屋の軒数について、昭和中期には574軒が県の料理業組合連合会に加盟しており、内約2割は現在も営業している。(3)料理屋の分布傾向として、一定の区画に集積していた地区が約9割であり、その多くは旧来の商店街や駅前周辺に立地する傾向が読み取れた。

著者関連情報
© (c) 日本都市計画学会
前の記事
feedback
Top