都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
浸水対策助成制度の利用実態
柴田 峻松本 邦彦澤木 昌典
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2022 年 21 巻 2 号 p. 191-196

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抄録

本研究では、個別の支援策として活用されている宅地ごとの浸水対策助成制度の利用実態と問題点を把握することを目的としている。22の市区町村を対象にアンケート調査を実施した。その結果、助成制度は導入当初は有効であるが時間の経過とともに利用者数が減少していることが明らかとなった。これは宅地の建て替えや嵩上げに多額の費用を要する為である。また、自治体では雨水排水施設等の整備を抜本的な対策として位置づけているがこれらの対策には莫大な時間と費用を要する。そのため、水害の実績のない浸水想定区域では自治体も住民も浸水リスクに対する対策を実施しないと考えられる。助成制度を利用する住民は限られているが、精密機器を扱う事業者など助成制度の利用が想定される対象に対して、自治体は助成制度を普及させるべきだと考える。

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© (c) 日本都市計画学会
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